日本語中文

紅星宣紙

紙寿千年、墨韻万変 ─ 中国宣紙の代表的ブランド

千年を生きる紙に、墨は無限の表情をひらく。安徽省涇県の手仕事が生む宣紙の最高峰を、東京で、手にとって確かめられます。

紙寿千年
墨韻万変 宣紙

宣紙という紙

What is Xuan Paper

宣紙は、中国安徽省涇県で漉かれる書画用紙です。青檀(せいたん)の樹皮と沙田稲わらを原料に、百を超える工程を経て仕上げられるその製作技藝は、中国国家級無形文化遺産に指定され、2009年にはユネスコ無形文化遺産(人類の無形文化遺産の代表的な一覧表)に登録されました。

「紙寿千年」──よく保てば千年を超えて残るといわれる保存性。そして墨の濃淡・にじみ・かすれを豊かに受けとめる紙肌。この二つの資質によって、宣紙は千年にわたり書家と画家の創作を支えてきました。日本でも「本画仙」の名で、書道・水墨画の本紙として古くから親しまれています。

宣紙の要点

  • 産地:中国安徽省涇県
  • 原料:青檀樹皮+沙田稲わら
  • 製法:百余の工程を経る手仕事
  • 中国国家級無形文化遺産
  • ユネスコ無形文化遺産(2009年登録)

紅星というブランド

Red Star

紅星(こうせい)は、涇県の宣紙工房の系譜を受け継ぐ中国宣紙股份有限公司の看板ブランドであり、1950年代初頭の創業以来、中国の書画界で最も広く用いられてきた宣紙の代表的銘柄です。中国国内では「宣紙といえば紅星」と呼ばれるほどの定番であり、書画の公募展・作家の作品制作・美術教育の現場で標準紙として選ばれ続けています。

日本の宣紙市場では、これまで紅星宣紙は主に専門店経由の「画材」として流通してきました。しかし、この紙の本当の価値──産地の手仕事、紙ごとの性格、作品の残り方の違い──は、実際に筆をおろして確かめてこそ伝わるものです。東京漢学館は、その「確かめられる場」として紅星宣紙の常設展示を行っています。

紅星宣紙 浄皮
浄皮宣紙(四尺・五尺・六尺)
紅星牌書画紙
紅星牌 高級書画紙
建廠70周年記念宣紙
建廠70周年記念宣紙(特種浄皮・木箱入)
浄皮礼品宣紙
浄皮宣紙 礼品箱(収蔵・贈答用)

手仕事の紙

Craft

宣紙づくりの終盤には、いまも人の手と眼だけが担う三つの代表的な工程があります。

撈紙(ろうし)──二人一組で簀桁を漉き槽に沈め、呼吸を合わせて一枚の紙を掬いあげる。紙の厚薄はこの一瞬の手の感覚で決まります。
晒紙(さいし)──漉きあげた湿紙を一枚ずつ焙壁に貼り、刷毛で伸ばして乾かす。紙面の平滑はこの工程の丁寧さが決めます。
剪紙(せんし)──仕上がった紙を検品し、大きな裁ち鋏で一気に裁ち揃える。基準に満たない紙はここで外されます。

機械化の進んだ現代にあって、この三工程が手仕事のまま残されていることこそ、宣紙が無形文化遺産である理由です。

撈紙・晒紙・剪紙の三工程
撈紙・晒紙・剪紙──紅星宣紙製作工藝

紙の種類と選び方

Types

宣紙は原料の配合により、青檀皮の比率が高い順に浄皮(じょうひ)・特種浄皮・棉料(めんりょう)などに分かれ、加工により墨のにじむ生宣、にじみを止めた熟宣、その中間の半熟宣に分かれます。さらに一枚漉きの単宣、重ねた夹宣、寸法も四尺・五尺・六尺・八尺と多様です。

書には棉料、水墨のにじみを活かす画には浄皮、精細な工筆画には熟宣──と一応の目安はありますが、最適の一枚は書き手の筆致と墨によって変わります。当館では講座と試筆を通じて、それぞれの紙の性格を実際に確かめたうえで選んでいただけます。

本サイトでの販売は行っておりません。紙品の展示見学・試筆のご希望、書道用品店・画材店・教育機関の皆さまの卸売に関するご相談は、ご案内窓口までご連絡ください。

中日藝術交流のこれから

Exchange

東京漢学館は、紅星宣紙を介した中日の藝術交流を、これからの取り組みとして構想しています。

中日の書家・水墨画家による交流展と講演会。日本の作家とともに産地・涇県の工房を訪ね、漉き場の手仕事に触れる「宣紙の源をたずねる」旅。講座と展示から生まれる、紙をめぐる人の往来。──宣紙が結んできた千年の縁を、東京から次の時代へつないでいきます。

取り組みの進展は、本サイトにてお知らせいたします。